理事長挨拶

人々が高齢になっても安心して暮らせる社会実現を目指して

私の恩師である偉大な生理学者であり神経科学者である小幡邦彦博士のご遺族が、アルツハイマー病の予防と治療のためのご寄付のお申し出をしてくださいました。小幡博士は晩年、神経科学者として認知症を救いたいというお気持ちを強く持たれていました。認知症は、患者様のみならずご家族や地域社会の負担が大きく、今後もますます増加していきますが、予防法や治療法がまだ確立していません。このようないまだ治療法が見つかっていない疾患に対する高い医療ニーズに関する研究成果を社会に役立たせ、少子高齢化である日本での生活を豊かにするための一躍を担いたいと考えてNPO法人イノベーション創薬研究所を2022年に設立しました。

本法人はアカデミアでの研究成果を疾患と予防に結び付ける「イノベーション創薬」を実現するための仕組み作りをミッションとしています。このミッションを達成する仕掛けとして小幡先生のご遺族の気持ちを研究助成金という形でイノベーション創薬に資するシーズ研究を支援していきます。その支援こそが人々が高齢になっても安心して暮らせる社会実現に寄与せんとするものであると思います。私たちの活動に賛同していただける方ならどなたでも参加いただけるよう今後とも努力していきたいと思っています。そして安心して暮らせる社会実現のために皆様のご支援をお待ちしております。

NPO法人イノベーション創薬研究所 理事長 關野 祐子(せきの ゆうこ)

理事長経歴

1980年 東京大学薬学部卒業
1980年 東京女子医科大学第2生理学教室助手
1991年 医学博士号(東京女子医科大学、大脳生理学)取得。
1991年 生理学研究所、東京都神経科学総合研究所でポストドクター
1993年 さきがけ研究21に採択されて専任研究員として独立(三菱化学総合研究所)
1996年 群馬大学医学部、助手、講師、助教授
2005年 東京大学医科学研究所・准教授
2010年 国立医薬品食品衛生研究所・薬理部・部長
2017年 東京大学大学院薬学系研究科・特任教授(薬品作用学教室)
2018年 同上、ヒト細胞創薬学寄付講座・特任教授 
2022年 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医衛生学教室・特任教授
     NPO法人イノベーション創薬研究所・理事長

専門は、生理学、薬理学、神経科学、創薬科学、レギュラトリーサイエンス